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ウクライナ戦争をあおるカトリック、ロシア正教 ローマ教皇の偏見とモスクワ総主教の正戦論

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ウクライナ戦争に関連して、キリスト教が極めて悪い役割を果たしている。筆者自身プロテスタントのキリスト教徒で、同志社大学神学部と大学院で組織神学(キリスト教の理論)を研究したので、カトリック教会についてもロシア正教会についてもその教会の特徴や内在的論理を理解することができる。現在、カトリック教会はウクライナ・ナショナリズムの、ロシア正教会はプーチン大統領の帝国主義をイデオロギー的に支える役割を果たしている。

カトリック最高指導者による差別と偏見

カトリック教会の最高指導者であるフランシスコ教皇には、世界の道徳的羅針盤の機能が期待されている。しかしウクライナ戦争との文脈で、教皇はこの機能を果たしていない。

フランシスコ・ローマ教皇が、ウクライナ侵攻を続けるロシア軍の兵士のうち少数民族のチェチェン人とブリヤート人が「最も残虐だ」と述べ、波紋を広げている。チェチェン人とブリヤート人はそれぞれイスラム教徒とチベット仏教徒で、キリスト教徒から見て「異教徒」の少数民族がやり玉に挙げられた形。プーチン政権は、外交ルートを通じバチカン(ローマ教皇庁)に抗議した。

教皇はイエズス会系の米誌アメリカ(電子版)とのインタビューで、キリスト教徒が多いウクライナでの犠牲者と残虐行為の関係に言及。「最も残虐なのは、ロシア国民でもロシアの伝統に従わないチェチェン人やブリヤート人らだ」と主張した。(11月30日、時事通信)

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