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変化しつつある権力構図のパワートライアングル 支持率が「危険水域」にさしかかる岸田政権

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岸田文雄首相を頂角、麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長を底角とする二等辺三角形の構図が変化しつつある。

自民党役員会に臨むために移動中の岸田首相、麻生副総裁、茂木幹事長
自民党役員会に臨む(左から)岸田文雄首相、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長(10月31日午後)(写真:毎日新聞社/アフロ)

手元に岸田文雄首相を中心とする今秋政局のキーパーソンの会談・会食の日程表がある。

9〜11月のそれは、新聞各紙が掲載する「首相動静」を基に作成したものだ。岸田首相と自民党の麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長ら同党有力者との会談・会食の日時と場所を網羅している。麻生、茂木両氏との回数が際立っている。対面では麻生氏と会食2回、茂木氏とは会食1回・会談3回で、岸田、麻生、茂木3者会食・会談は4回に及ぶ。

この間、首相外遊が3回もあった(第77回国連総会出席、豪州訪問、東南アジア3カ国歴訪)。この10日間の首相不在日程からも頻度が高いことがわかる。物事にはつねに裏がある。岸田、麻生、茂木3氏の密談も同様だ。それは「首相動静」から透けて見えてくる。

岸田首相(党総裁)は日程が許す限り、原則として月曜日午後(夕方)に東京・永田町の党本部で開催される役員会に出席する。役員会は本部8階で開かれるが、直前に同4階の総裁室に赴く。表玄関のエレベーターを使わず地下駐車場から別のエレベーターで4階に直行するのだ。待機する麻生、茂木両氏と10分足らずであっても言葉を交わす。永田町用語の「腹合わせ」である。その後、他の役員が待つ8階会議室に向かう。

岸田氏はもちろん、執行部の遠藤利明総務会長、萩生田光一政務調査会長、世耕弘成参議院幹事長、森山裕選挙対策委員長とも差しの会食をしている。

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