小国のカタールがサッカーワールドカップ(W杯)の開催国になると、二十数年前に誰が予想しただろう。それでもカタール大会は現実になった。それが今やさして驚きとは感じられなくなっていることが、1つの驚きだ。
サッカーと世界経済とのつながりを調べることは、エコノミストとしての私の職業人生の重要な一部分を成していた。最初はスイス銀行コーポレイション(現UBS)、次いでゴールドマン・サックスで、1994年の米国大会から2010年の南アフリカ大会までW杯が開催されるたびに特別な調査報告書の刊行を指揮し、好評を得ていた。私がこれまでに現地観戦を果たした大会は、米国、フランス、日韓、ドイツ、南アフリカ、ブラジルの6大会に上る。
W杯から見た世界経済
サッカーと世界経済とのつながりは開催国の顔ぶれにはっきりと表れている。国際サッカー連盟(FIFA)は10年に南ア、14年にブラジル、18年にロシア、そして22年にカタールを開催国としたが、そうした選択の土台に00〜20年における新興国の着実な台頭があったのは動かしがたい事実だろう。よって、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア)の残りの2カ国も将来的に開催国になる可能性は大いにあると、私は長年考えてきた。
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