FTX破綻で窮地に立つ「暗号資産ビジネス」の憂鬱 日本の暗号資産業界は逆風を切り抜けられるか

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FTX創業者のサム・バンク・フリードマン
FTX創業者のサム・バンクマン・フリード氏。アメリカの民主党の大口献金者としても有名だった(写真:Erika P. Rodriguez/The New York Times)

アメリカの暗号資産交換業大手・FTXトレーディングが経営破綻してから、およそ2週間。その衝撃は冷めることなく、日本の投資家や業界関係者の動揺は収まらない。

「預け入れていた資産はおよそ300万ドル(4.2億円)相当。アメリカで適用が申請された連邦破産法11条(チャプター11)の行方次第で全額戻らないかもしれず、とても心配だ」。ツイッターアカウント名「ヨーロピアン」で活動する日本在住の30代男性は不安げにそう話す。

FTXトレーディングは、2022年3月に日本の交換業者を買収し、4月からFTXジャパンに社名変更した。この男性はそれまでFTXトレーディングの口座で取引を行っていたが、社名変更のタイミングで口座がFTXジャパンに移ったという。FTXジャパンの口座はシステムのトラブルで、現在出金できない状況が続いている。

日本の交換業者は金融庁の定めで預かり資産の分別管理が求められている。FTXジャパンも法令に則り、暗号資産はオンライン接続しないコールドウォレット、法定通貨は日本の信託口座において分別管理を行っていると会社は説明する。FTXジャパンが11月21日時点で保有する、円ドルを合わせた法定通貨の預かり資産は60.74億円、及び別の現預金が約178億円あるという(2022年9月末の純資産は100億円)。

日本の金融庁が示したFTX破綻に対する見解

チャプター11の申請書類にはFTXグループの債務整理の対象として日本法人が含まれており、FTXジャパンが保有する資産がそれに充てられる可能性はゼロではない。FTXトレーディングの新しいCEOに就任し、エネルギー取引会社エンロンの破綻処理を監督したジョン・レイ氏は11月19日、チャプター11の手続きの中で「子会社の売却や資本再編といった戦略的な取引が今後の優先事項だ」とコメントしている。

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