凋落 木村剛と大島健伸 高橋篤史著

凋落 木村剛と大島健伸 高橋篤史著

一人は、中央銀行キャリアから時の政権のブレーンにまで上り詰めた金融エリート、木村剛。もう一人は、商工ローンという辺境からのし上がった悪名高き金融アウトサイダー、大島健伸。この二人の絶対権力者によってもたらされた、金融史上かつてない特異なスキャンダル「振興銀・SFCG事件」を、綿密な取材で深掘したノンフィクションである。

二人が「もつれ合う」のは、ともに絶頂期を過ぎた2008年11月からのほぼ3カ月。「禁じ手」に暴走していく最中だった。債権買い取りの担保二重譲渡で、木村剛が大島健伸の元に怒鳴り込み、蜜月関係は終わる。巧緻を尽くした延命への狂奔が両者を引き合わせたのだ。

個人益を飽くことなく追求した二人の男の、出自から絶頂へ、そして狂気と執着の中で破滅の道をたどる人生行路を見事に描き切る。同時に日本のデフレ期の時代精神も垣間見ることができる。

東洋経済新報社 1890円

    

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 財新
  • 今見るべきネット配信番組
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT