凋落 木村剛と大島健伸 高橋篤史著

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凋落 木村剛と大島健伸 高橋篤史著

一人は、中央銀行キャリアから時の政権のブレーンにまで上り詰めた金融エリート、木村剛。もう一人は、商工ローンという辺境からのし上がった悪名高き金融アウトサイダー、大島健伸。この二人の絶対権力者によってもたらされた、金融史上かつてない特異なスキャンダル「振興銀・SFCG事件」を、綿密な取材で深掘したノンフィクションである。

二人が「もつれ合う」のは、ともに絶頂期を過ぎた2008年11月からのほぼ3カ月。「禁じ手」に暴走していく最中だった。債権買い取りの担保二重譲渡で、木村剛が大島健伸の元に怒鳴り込み、蜜月関係は終わる。巧緻を尽くした延命への狂奔が両者を引き合わせたのだ。

個人益を飽くことなく追求した二人の男の、出自から絶頂へ、そして狂気と執着の中で破滅の道をたどる人生行路を見事に描き切る。同時に日本のデフレ期の時代精神も垣間見ることができる。

東洋経済新報社 1890円

    

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