海外教育移住で注目、世界最高水準「シンガポールの教育環境」が理想的な訳 ローカル校とインター校の特徴、その費用とは

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まさに一度、入学したら全力で学校の資源を使ってサポートをしてくれる体制なのです。このあたりの差で学費が違うのではないかなと感じています。反対に子どもが平均的にそつなくできるのであれば、学費が安いインター校でも問題がないと感じます。

わが家は、子どもが幼稚園の頃に夫婦ともに仕事が忙しすぎて、またコロナ禍も重なって子どもの語学教育が非常に遅れたと反省をしています。しかし、「英語に関しては学校がサポートをしっかりします。チューターなどはつける必要はありません。家庭では母国語である日本語をしっかりと学ばせてください」という学校の温かい言葉に支えられ、アルファベットすら家で教えていなかったのですが、英語で文章を書き、思考ができるようになっています。

花輪氏のお子さんは現在小学3年生。今は英語で文章を書き、思考ができるようになっているという
(写真:花輪氏提供)

インター校から海外大がほとんど、驚愕の学費におびえる親も

さて、多くのインター校で学んだ子どもたちの最終進路は欧米の大学がほとんどです。私もインター校を選ぶ際、生徒の進路実績を熟読して学校を選びました。シンガポールに長くいたいと思っていたので、できたばかりの学校ではなくて実績が十分にある学校を選びたかったからです。

そういう環境に身を置くことによって、周りがバックアップをしてくれます。進路相談ができるカウンセラー、周りの先輩の保護者や同級生の親の知識レベルが高ければ自ずと自分も引き上げられ、情報がたくさん入るからです。

現在のインター校からは米国の大学への進学率が高いのですが、懸念点として学費の高騰があります。米メディアによれば私立大学の授業料と諸費用の平均は約4万米ドル(日本円で約600万円)、州立大学(州民以外)の場合は約2.3万米ドル(約350万円)という報道もあります。

これに加えて、米国の大学に現在子どもを通わせている知人の声を聞いても、学費に加えて数百万円を仕送りしているといいます。住居費や食費などの高騰もあるからです。米国に子どもを留学させる場合、年間1000万円前後の費用が必要になりそうです。もちろん、英国やシンガポールの大学に進学させれば学費の節約は可能です。しかし、その場合は受験制度も違いますし、また別のハードルもあるのだろうと感じています。

私も夫も日本での仕事が多く、将来的に日本円の価値が減り続けていくならば、米国の学費の上昇に追いつくだけの稼ぎが維持できるのか非常に不安に感じます。また、米国の大学に入るために勉強以外にもスポーツや音楽などの秀でた才能を身に付けさせ、子どもに多様な経験をさせる必要があるともいわれています。そんな中、超富裕層と戦っていくことが共働き家庭にできるのか不安に感じるのです。次回は、富裕層が子どもたちに施している習い事の事情などをお伝えしたいと思います。

(注記のない写真:rasinona / PIXTA)

執筆:シンガポール在住、ファイナンシャルプランナー 花輪陽子
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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