今見ても驚きの価格破壊「平成のお得な切符たち」 「鉄道開業150年記念パス」を上回る太っ腹ぶり

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土日きっぷ

現在「週末パス」という名称で関東甲信越、南東北エリアのフリー切符があるが、この前身にあたるのが「土日きっぷ」である。週末パスは特急・新幹線利用時に特急券の追加購入が必要だが、土日きっぷは特急・新幹線が2日間乗り放題で、指定席も4回まで利用できた。料金は大人1万8000円、中高生9000円、子ども3000円で、グリーン車用の設定はなかった。

土日きっぷも当時中学生だった筆者は大変重宝していた。なにせ東京―仙台間往復が2万1120円のところ、大人でも1万8000円、中学生なら9000円(2003年6月の時点では8000円だった)で、単に往復するだけで1万2000円もお得であった。通年発売だったのも便利で、三連休パスが使えない時期は土日きっぷで「新幹線乗り鉄」を楽しんでいた。

土日きっぷ
特急・新幹線も2日間乗り放題だった「土日きっぷ」(筆者撮影写真を編集部加工)

この切符も2010年3月分をもって廃止となり、代わって乗車券部分のみ有効の「週末パス」が発売された。こちらは現在でも販売されている。

実は格安で乗れた「グリーン個室」

N’EXグリーン個室料金券

かつての「成田エクスプレス」にはグリーン個室なるものが存在した。定員4人の個室で、大人4人で成田空港まで行く場合、東京・品川・新宿・池袋発は特急券とグリーン個室券を合わせて1万6400円(当時・1人4100円)、横浜・大船・大宮・中央線方面からだと1万8920円(当時・1人4730円)となかなかの金額であった。そのため満室にならないことがしばしばあったのだろう。7日前の時点で空室があれば、という条件で発売されていたのが「N’EXグリーン個室料金券」である。

発売額は、何人で利用しても特急料金・グリーン個室料金がセットで東京・品川・新宿・池袋発が1室8000円、横浜・大船・大宮・立川・八王子・高尾発は1万円と、約半額で利用できるチャンスだった。とくに、1万8920円が8000円となる三鷹発はお得だった。当時のパンフレットによれば、大人2人で東京―成田空港間を利用する場合、一般の(個室ではない)グリーン車指定席料金に1人当たりプラス300円、大人4人なら普通車指定席料金に1人当たりプラス340円でグリーン個室を利用できるという非常にお得なチャンスだった。

この切符はその後のグリーン個室料金改定とともに、2005年12月をもって姿を消した。また、グリーン個室自体も新型車両E259系への置き換えにより消滅した。

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