9〜10月の英国の騒動は世界を驚かせた。発足したばかりのトラス政権が大規模減税を軸とした成長戦略を発表。「財源なき財政出動」とたたかれ、英国債が売られ(金利は急騰)、ポンドも急落した。結局、トラス首相は看板政策の撤回を余儀なくされ、政権の座を追われそうだ。
この「事件」をきっかけに金融市場で活発化しそうなのが、「財政インフレ」の議論と各国政府の信用力の評価だ。問題は、今のインフレの要因をどうみるかだ。
財政インフレの様相も
2020年にコロナショックが起きると、先進各国は大規模な金融緩和と財政出動を行った。それまで先進国は低成長・低インフレが続く「日本化」現象に悩まされてきた。そうした中では景気を浮揚するための低金利政策と財政出動は正当化されやすかった。08年のリーマンショックの経験もある。当時は家計も企業も債務の調整を迫られたため、需給ギャップの拡大を大規模な金融緩和と財政出動で縮める必要があった。
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