長崎・佐賀に登場「ふたつ星」とはどんな観光列車? おもてなし、車窓越しの風景、乗り心地…
スフレの行列がようやく消えた2号車では、車内をいったんリセットした後、予約参加者を集めての体験イベントが開催されている。波佐見焼の皿に転写シールを貼ってオリジナルの飾り皿を作るという有料のお楽しみだ。奥の大型モニター画面からは、佐賀・長崎の観光キャンペーンと合わせてJR九州自らが展開するキャンペーンの標題「西九州開店」の文字が飛び出してくる。
大村線の旅の終盤を飾るのは、日本離れした巨大な洋風の建物の風景だ。テーマパークのアトラクション乗り場のような装いのハウステンボスに停車すると、ここでもホテル従業員がフォーマルな制服に身を包み、持ち前の笑顔で小旗を打ち振りながら迎えてくれる。
かくして「ふたつ星4047」は、定刻の17時09分より少し遅れて早岐に到着した。しかし列車はこれより佐世保線に入り、朝のスタート地点の武雄温泉に戻ってゆくから、乗客のほとんどは車内に居続ける。それで逆に喧噪に惑わされず、金色の帯を巻く純白の車体を眺めることができた。改めて見ると金色の帯は、本当に輝いている。
今回の新採用技術は金色に輝くチタン
水戸岡氏デザインによるJR九州の列車は、これまでガラスや木など、近代型車両においてはタブーとされてきた内装材をふんだんに使い、さらに藺草や竹、組子など九州の伝統的産品を新幹線やD&S列車に採り入れ、大手中小関係なく九州を盛り上げることを意図して、独特の技術を誇る会社とコラボを図ってきた。
そこで今回、海沿いの列車ゆえに耐食性が高く、海や太陽を反射させる素材として採用したのがゴールドミラーチタンと言う。八幡製鉄来の伝統を誇る日本製鉄が、さらに同社と関連深いチタンの製造や研磨の会社を紹介して実現に至ったそうだ。ラウンジ車カウンターの前面にも、また別の先端技術による素材を採用して海面のゆらぎを車内に持ち込んでいる。
新幹線に対してゆっくりした旅を味わう列車は、初日はやはり昂奮の坩堝であり、何だかわからないまま約1時間半の乗車行程を終えて早岐駅で見送った。いずれ、落ち着いた様子を改めて味わいたい。折り返しYC1で新大村に戻り、西九州新幹線に乗り換えたら16分で長崎に着いた。
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