教育基本法とは?教育に関する法律についてわかりやすく解説
第3条の「生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において」という文言について、社会教育の場合で述べたものです。図書館などの公共施設を誰でも利用できるよう努めることを国や地方自治体に求めています。
教育基本法 第2章 第13条(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
教育における家庭と地域の連携の重要性について明示しています。学校だけでなく、家庭や地域の住人などに対して、教育上の連携を行うことを求めています。
教育基本法 第2章 第14条(政治教育)
2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
政治と教育の基本的関係を述べています。思想・良心の自由の原則から、私立学校を含めて「法律に定める学校」だけが政治教育その他政治的活動を禁じられています。
*法律に定める学校とは、学校教育法第1条に定める学校のことを指し、具体的には、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校および幼稚園をいいます。
教育基本法 第2章 第15条(宗教教育)
2 国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。
宗教観に関して、「寛容の態度」「一般的な教養」「社会生活における地位」を尊重することを、教育上の最低基準としています。
教育基本法 第16条~第18条

教育基本法 第3 章 教育行政 第16条(教育行政)
2 国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。
3 地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。
4 国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。
教育における国と地方公共団体の役割分担や財政措置について規定しています。
教育基本法 第3章 第17条(教育振興基本計画)
2 地方公共団体は、前項の計画を参酌(※)し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。
※参酌:比べて参考にすること
国が総合的な教育施策を立案するための根拠となる条文です。この条文によって、文部科学省は教育政策の主導権を得ることになりました。
教育基本法 第4 章 法令の制定 第18条
旧法から引き継いだもので、恣意的な官僚支配を防ぐためのものです。「必要な法令」は、不必要な法令に対する歯止めの意味も持っています。
教育基本法以外の教育に関する法律
日本国憲法
教育に関しては、第26条で「教育を受ける権利」を保障しています。1947年の学校教育法制定までは、教育勅語により教育の理念が示されていました。また、第23条では「学問の自由」も保障しています。
学校教育法
教育基本法に基づいて、憲法第26条の国民の教育を受ける権利を学校教育で保証するため、学校制度の基本を定めた法律です。1947年3月31日公布、同年4月1日施行。
地方公務員法
公立学校の教員は、「地方公務員」という身分であり「地方公務員法」が適用されることになります。また、「教育公務員」という身分でもあり、職業的性格の特殊性から「地方公務員法」と「教育公務員特例法」の2つの法律で服務などが規定されています。