
[著者プロフィル]Sinan Aral/科学者、起業家、投資家。米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授。新興企業をハイプマシンにまで成長させることを目的とするベンチャーファンド、マニフェスト・キャピタルを共同設立。
SNSは誤情報やフェイクニュースで溢(あふ)れかえり、今や誇大宣伝装置と化している──。データサイエンスの研究者であり、国際的なITビジネスに携わる起業家でもある著者は、そう警鐘を鳴らす。原題にある「Hype Machine(ハイプマシン)」は誇大宣伝装置を意味する著者の造語で、SNSやスマートフォンなどによって構築されるリアルタイムコミュニケーションのシステムを指す。
恐るべき調査の結果
2018年3月、著者らはある論文で科学雑誌『サイエンス』の表紙を飾った。ツイッター上で広まった事実確認可能なすべての噂の真偽を検証し、その拡散の仕方を分析した研究だ。対象はサービス開始からの約10年間(06〜17年)に、300万人の人々が450万回のツイートで拡散した、12万6000件のデータだ。
この大規模調査の結果は恐るべきものだった。明らかになったのは、フェイクニュースはその種類を問わず、真実のニュースよりもはるかに速く・遠くまで拡散し、より多くの人々の心に深く浸透しているという現象だった。
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