練馬区の小学校12校、教員延べ約100名参加、「脱校内」研修の気になる中身 石神井台小をハブに教員同士が学ぶ場を創出

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校内研修といえば、文字どおり「校内」で完結するのが常であるが、東京都練馬区の石神井台小学校では、「学校の垣根を取り払い、校内の学びを校外でも共有する」「地域の教員が学び合い、地域の教育を高める」ことを目的に、同校の校内研修を練馬区内の小学校教員に共有。自校を会場に、2022年7月、教員向けの研修会「夏の学びWeeeek! in2022」を企画・運営するなど、型にはまらないボトムアップ型の学校・教員間の連携を目指している。同校の校長・町田浩一氏、副校長・田代末実子氏、研修会を企画した研究主任の二川佳祐氏に取り組みへの思い、地域の教育をより高めていくために必要なことについて聞いた。

「校内研修会」という名の「“校内外”研修会」

ここは、東京都練馬区石神井台小学校3階の図書室。区内の小学校教員向けに“開いた”校内研修会「夏の学びWeeeek! in2022」(2022年7月22日〜28日の期間に4回開催)の初日だ。

練馬区立大泉第四小学校講師、ホワイトボード・ミーティング®認定講師の横山弘美氏を迎え、「ホワイトボード・ミーティングから学ぶファシリテーション」をテーマとしたワークショップが始まった。

ホワイトボード・ミーティング®認定講師の横山氏

石神井台小の教員に加え、練馬区内の10校から教員が参加し、4〜5人のグループに分かれて着席。それぞれのテーブルには、ホワイトボードとマーカーが置かれている。開催校の町田校長も、参加者の一人だ。

「皆さんこんにちは。長い1学期、本当にお疲れさまでした! 夏休みも『学ぼう』と、この場にいらっしゃる皆さん、本当にすてきです」。横山氏の第一声に、場が和む。

「ホワイトボード・ミーティング」とは、ホワイトボードを活用して進める会議の方法だ。進行役をファシリテーター、参加者をサイドワーカーと呼び、ファシリテーターが参加者(サイドワーカー)の意見をホワイトボードに書きながら、意見の共有→構造化→結論のプロセスを作ることで会議が効率的、効果的に進み、教育をはじめ幅広い分野で取り組まれている。

「ファシリテーターは、仕切るのではなく、みんなの声を聞いて進めるファシリテーターに」「サイドワーカーは、相づちを打ちながら話を聞く」などそれぞれの心得の説明に続き、参加者が2人1組に。「夏休みに入って、どんな感じ?」についての“3分間コミュニケーション”を皮切りに、「好きな食べ物」「対話で大切にしていること」などで自己紹介を深めた後、ホワイトボードを用いてファシリテーションを体験する。

2人1組で自己紹介した後(左上)、「質問の技」カードなども参考にしながら(左下)、ホワイトボードを用いてそれぞれがファシリテーションを体験していく(右上・右下)
ファシリテーター役がインタビュアーとなり、サイドワーカーに「1学期を振り返って」「よかったこと」「困っていること」「これからどうしたい?」について聞きながらホワイトボードに書いていく

横山氏の導きに沿ってファシリテーター役がインタビュアーとなり、サイドワーカーに「1学期を振り返って」「よかったこと」「困っていること」「これからどうしたい?」について聞きながらホワイトボードに書き、質問やアドバイスをしながら対話を重ねた。初対面でありながら、「同じ区内の教員」という共通項が良好なコミュニケーションを生み出し、会場全体が安心感に包まれている。

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