教員免許持つ弁護士・真下麻里子氏が法の視点を説く「いじめ予防授業」の中身 友達を仲間外れにすると「人格権の毀損」に

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「学習指導要領の改訂もあり、教育現場では対話が重視され、対立はややタブー化されているように感じます。そうした空気に子どもたちは慣れていて、自分たちの利害に関することであっても、対立にエネルギーを割かず無難にやり過ごそうと考えていると感じることもあります。しかし、力が非対称な力関係の下では、通常、対立なくして対話はありません。力を持つ側には対話するメリットがないからです。『対立』と評価されることを恐れて、子どもたちが主張自体を諦めてしまうような環境をつくっては本末転倒です。対話を重視するのは非常に大切ですが、できれば先生方には、学校の中で縦の関係で権利行使する練習をさせてあげてほしいと思います」

相手を尊重するためには自分を尊重する力が必要であるように、横の関係での権利を守るには、縦の関係における権利を知ることも有効だろう。それは権利自体への理解を深めることになるし、自分も他者も、互いにどんな法によって尊厳が保障されているのかを知ることになる。

弁護士である真下氏の授業の主軸は、やはり法律だ。いじめという問題を通して、その本質を子どもたちに伝えようとしている。

「小さな教室で起きるいじめには、法的な規範や内心の自由などの基本的人権といった、生きるうえで重要な問題が凝縮されているのです。法律の考え方を、いじめを抑止するためだけのものではなく、大人になってからもずっと必要なものとして伝えたい。難しいテーマもありやさしく言語化するのに苦労していますが、それを何とか伝えるため、これからも心を砕いて努力を続けていきます」

(文:鈴木絢子、注記のない写真:NPO法人ストップいじめ!ナビ提供)

東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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