評伝 若泉敬 愛国の密使 森田吉彦著
時の総理・佐藤栄作の「志」を受け、沖縄返還実現のために奔走、アメリカとの間で「密約」を結んだ密使として知られる国際政治学者・若泉敬が主人公。
彼は、1969年の佐藤・ニクソン会談の共同声明の裏で、有事の際の沖縄への核持ち込みを日本が事実上認める密約があったことを暴露している。敗戦の代償として奪われた領土を外交交渉で取り返すには代償が必要だと考えた若泉は、「核の密約」と「縄と糸」(アメリカの繊維産業を守るための、日本製繊維製品の輸出規制)を選択した。
豊富な史料と新たな証言によって、密約を生涯後悔したと伝えられる若泉の生涯と、日米関係、極東アジアの中での日本の姿を論じている。
文春新書 945円
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