人間という種が、なぜかくも他の動物とかけ離れた存在であるのかを、考えたことがない人はおそらくいないだろう。現代の動物だけではなく、例えばネアンデルタール人などは脳の容量で現生人類を上回りながら、せいぜい簡単な石器を作ることしかできなかった。他の原人・旧人類も、ホモ・サピエンスの前に太刀打ちできず、数万年前にすべて滅んでいる。
宇宙には人類に匹敵する知的生命体もいるのではと、長年手を尽くして探索が行われているが、今のところその痕跡は見出されていない。他の惑星に生命がいると期待する科学者は多いが、高度な文明が見つかる可能性については、悲観的な見方が多いようだ。
人類を進化させた4つの要素
ではなぜ、ホモ・サピエンスのみが卓越した存在になりえたのか──。本書はこの壮大な問いに対し、遺伝学、分子生物学、文化人類学などの知識を駆使して解答を試みたものだ。人類がかくも飛び抜けた成功を収めたのは、単独の要因によるものではない。遺伝子、環境、文化がお互いに絡み合って進化し、爆発的に向上した結果というのが、著者の主張だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら