貨物列車の存続握る並行在来線が抱える財源問題 貨物を支える助成金の財源確保の議論が急務

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1日50本以上の貨物列車が走行する物流の大動脈、北海道の函館―長万部間の鉄道路線が存続の危機にさらされている。背景には、貨物鉄道を支える貨物調整金の2031年度以降の財源が決まっていないという問題がある。

貨物列車が多く走行する物流の大動脈、函館―長万部間の鉄道路線の存続が危ぶまれている(撮影:杉山茂)

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今、北海道の鉄道のある区間の存廃が大きな注目を集めている。

2031年春の北海道新幹線札幌開業とともに、JR北海道から経営分離される函館-長万部間の行方だ。この区間は貨物列車が1日50本以上走る物流の大動脈で、ここが廃線となれば、本州向けの農産物の供給に大きな影響が出る。

さらに、仙台以北の貨物鉄道も存続の危機にさらされることになる。東北発着の貨物量は少なく、北海道まで鉄道ネットワークがつながっていることで成り立っているからだ。

定まらない「貨物調整金」のあり方

北海道庁の試算では、函館-長万部間を維持する費用は2031年度からの30年間で累計2347億円。収入は1403億円で、差し引き944億円の赤字となる。収入のうち、約1210億円はJR貨物からの線路使用料で賄うことになる。

ところが、取材を進めると、その線路使用料を支える「貨物調整金」のあり方が定まらないという根本問題が浮かび上がってくる。

貨物調整金とは、国の外郭団体「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(鉄道・運輸機構)からJR貨物を通して並行在来線の運営会社に支払われる助成金だ。

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