島津製作所が「計測機器」の成長に自信を持つ根拠 計測機器、半導体関連に加え、脱炭素も商機に

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山本靖則(やまもと・やすのり)/島津製作所 社長。1959年生まれ。83年大阪大学大 学院修了、島津製作所入社。2003年分析計測事業部試験機ビジネスユニット統括マネージャー、13年独現地法人社長、20年取締役、21年CFO。22年4月から現職。(撮影:ヒラオカスタジオ)
計測・分析機器大手の島津製作所が成長を続けている。2020年に立てた3カ年中期経営計画を2度も上方修正。2023年3月期の業績予想は売上高が当初比14%増、営業益が同48%増だ。
新型コロナ禍で製薬業界向けの需要が増えたほか、半導体製造装置向けの部品も活況。特需で終わらないのか。4月に就任した山本靖則社長に聞いた。

──コロナ禍で計測機器がヘルスケア業界向けを中心に好調です。

医薬品市場が異常に広がり、投資が活発になった。またPCR検査装置や検査時に使用する試薬も早くに製造し、提供できた。

PCR検査装置は大量に試料を集めてから測定するものが主だったので、検査から結果判明まで1週間かかることもあった。そこでクリニックでも扱える全自動の検査装置を半年で開発し、国内約1500カ所に導入された。

これまであまりなかったが、開発ではあらゆる部門の技術者を集めたプロジェクトチームを作った。他社だとすでにやめていても、顧客に役立つと思って残した技術がある。それを生かすことができた。

コロナ後に需要が消失するものではない

──コロナ後に特需が剥げて、業績は低迷しませんか。

そんなことはない。医薬品業界には主に2つの動きがある。

まずは経済安全保障。コロナ禍前は医薬の原料を安く大量に製造する中国に依存していた。ところが最初に中国で新型コロナが蔓延し、原料が入りづらくなり大変なことになった。経済安保の考え方はコロナ後も消えず、原料を自国で準備する流れに変わっている。

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