イオン名誉顧問「企業内教育は日本の伝統です」 小嶋千鶴子氏のロングインタビューを再録

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日本の小売業は劇的な変貌を遂げたが、時代を超えて受け継がれるものがある。実弟・岡田卓也氏とともにジャスコの礎を築いた小嶋千鶴子氏が、小売業の「原点」を語る。

(撮影:吉野純治)
イオン名誉顧問の小嶋千鶴子(こじま・ちづこ)氏が5月20日、亡くなった。106歳だった。弟はイオン名誉会長相談役の岡田卓也氏。
1939年に家業でイオンの前身にあたる岡田屋呉服店の代表取締役に就任した。1969年のジャスコ(現イオン)設立後は、取締役や常務取締役として、人事や教育制度の整備などに尽力した。卓也氏を助け、流通大手の礎を築いた。
2007年、当時90歳の小嶋氏は、週刊東洋経済「長老の智慧」のインタビューページに登場。イオンの歩みや人材育成について語った全4回のインタビューを再録します。
第3回は「商人はみな夜学で勉強した。企業内教育は日本の伝統です」

いちばん苦労したのは、精肉業者です。今でこそ牛肉はどこでも売っていますが、かつて肉屋は肉屋の子がなるものでした。

1964年にプリマハムの創業者・竹岸政則さんが、茨城県に日本で初めて食肉技術学校をおつくりになった。それで、食肉学校の先生に「うちも入れてもらえんか」と言うたんですよ。そしたら「肉屋の息子やなきゃあかん」と。

そこで社員に10万円を持たせて、学校のそばに宿をとらせたんです。

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