アメリカの「経済圏構想」で日本の知恵が試される アジアでトモダチの輪はどこまで広がるのか

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(写真:2022 Bloomberg Finance LP)

バイデン米大統領訪日の目玉だった経済圏構想、「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」が何とか発足した。米国主導の経済的な対中包囲網の誕生を受け、日本政府の実務担当者からは「インド太平洋でのTPPの役割は事実上終わった」との声が出た。

IPEFは①貿易、②サプライチェーン、③インフラ・脱炭素、④税・反汚職の4本柱で構成され、それぞれの分野で政府間協定を結ぶ立て付けだ。インド太平洋地域での中国の影響力拡大に対抗する狙いがある。「枠組み(フレームワーク)」という名前が示すように、自由貿易協定(FTA)のような拘束力はない。

米国はオバマ政権時代に中国封じ込めを狙ってTPP(環太平洋経済連携協定)を推進したが、トランプ政権発足直後に交渉から離脱した。安価な外国製品の流入を警戒する議会を説得することの難しさから、バイデン政権にも復帰の意欲は乏しい。しかし内情を見透かした中国が昨年TPP加盟を申請したことは米国も座視できず、代案のIPEFを用意した。

トモダチの輪は広がるか

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