8月終了!寝台特急「北斗星」の極秘入手法 乗車1カ月前の10時打ち購入法とは?

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9時59分までに端末の入力を終え、10時の時報と同時に「照会」キーを押すというのが理想だが、まごまごしているうちに10時を過ぎてしまい満席、ということはよくある。そうした失敗を防ぐためにも、事前のリサーチと時間に余裕をもった行動は大切だ。駅員も、事前にその駅のルールや混み具合を調べ、余裕をもって振る舞う人には「なんとか取ってあげよう」という気になるだろう。

最後は運だが、諦めなければ取れる

事前受付は小さい駅の方が、実施をしている割合が高いい。だが、10時打ち自体は大きな駅の方が有利だ。混み合うが、窓口が多い上に端末の扱いに熟練したベテラン係員がいる可能性も高い。

窓口以外にもマルス端末があり、混雑緩和のためにそちらで照会してくれる場合もある。どの係員が熟練しているかは、普段から駅の窓口を利用して、観察しておこう。しばらく見ていれば、なんとなくわかる。

寝台列車を利用する「ツアー」もある。これらは、1カ月以上前から予約ができるが、ほとんどがキャンセル待ちとなっている

プラチナチケットと化した寝台券の確保に確実な方法はないが、可能性はゼロではない。

始発から受け付ける駅、みどりの窓口が開くする時刻から受け付ける駅、10時に並ぶ駅をそれぞれ調べ、各駅のルールを守って申し込もう。駅のシャッターが開く時刻や、みどりの窓口が開く時刻は駅によって異なるので、うまく行けば4~5カ所で申し込める。

事前申し込みをしたところはすべて結果を確認し、もしも重複して取れた場合はキャンセルすることも忘れずに。当日中に受け取らなければ自動的にキャンセルとなるが、受け取りに来ない人が多いことも、事前受付をやめる駅が増えている理由の一つだからだ。

複数の窓口に申し込んでも、全滅ということも多い。筆者がトワイライトエクスプレスの車内で会った人は、通勤途中に通る20の駅すべてに途中下車して申し込むということを3日間繰り返し、延べ60回以上チャレンジしながらすべて取れなかったと語った。それでも諦めずに窓口に通った結果、ある日突然ツインが取れたそうだ。

 「10時打ち」のコツをまとめると、

・事前に各駅をリサーチし、受付方法を確認する

・指定券申込書をしっかり準備しておく

・受付開始時刻が異なる駅を組み合わせ、複数の駅で申し込む

・10時には大きな駅の窓口に並び、ベテラン係員に頼む

・必ず全部の駅の結果を確認し、複数取れた場合はきちんとキャンセルする

・取れなければ、前回の記事を参考にキャンセル券を狙

・あきらめない

ということになるだろう。やはり、指定券はあきらめちゃダメ。「北斗星」は8月までチャンスがある。他のお客さんの迷惑にならないよう配慮して、ねばり勝ち目指して頑張ろう。

栗原 景 ジャーナリスト

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くりはら・かげり / Kageri Kurihara

1971年東京生まれ。出版社勤務を経て2001年独立。旅と鉄道、韓国をテーマに取材・執筆。著書に『新幹線の車窓から~東海道新幹線編』(メディアファクトリー)、『国鉄時代の貨物列車を知ろう』(実業之日本社)等。

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