横浜市・山内小学校校長が語る「不登校」公立で受け皿つくる意義とは? 「校内フリースクール」学校はどう変わったか
「子どもたちのアウトプットの仕方が変わり、これまではグループで感想文を見せ合うのが関の山だったものが、今ではタブレットを使用し、一瞬でクラスメート全員に共有することができるようになりました。そうすると、誰かに見られることを前提にノートを作るようになり、児童全員が全員のアウトプットを見るようになり、対話も増えるのです。コロナ禍で、ここまで学びのスタイルが進化するとは、正直想像もしていませんでした」
しかし、その一方で先生と子どもの基本的な関係は今後も変わらないと話す。すべては子どものため。これからも誰もがワクワクして、楽しいと思える公立小学校をつくり続けていきたいと佐藤先生は語る。
「私は中学受験に失敗して、人生の負け組だと感じてしまうような子どもたちを生み出したくないのです。自分にはビジョンがあり、こんな大人になりたい。だから今、勉強しなければならない。社会に出れば、いろんな人たちとの出会いがある。中学受験はゴールではなく、その先も人生は続いていく。そこを絶えず、子どもたちに意識させてあげたい。子どもたちを元気にするために、これからも新たな取り組みを行っていきたいと考えています」

横浜市立山内小学校校長。1967年生まれ、55歳。福島県出身。文教大学教育学部卒。89年、横浜市立あざみ野第二小学校で教員人生をスタート。95年から10年間在籍した西前小学校では、特別支援学級を5年間担当。2005年から3年間、ルーマニア・ブカレスト日本人学校に勤務。帰国後、白幡小学校では教務主任や副校長の立場から、地域や企業と連携した先進的な取り組みを牽引。13年から6年間、横浜市教育委員会事務局教育政策推進課指導主事として「横浜教育ビジョン2030」の策定や働き方改革の推進等に取り組む。2017~18年には文部科学省の業務改善アドバイザーとして全国各地に出向き、働き方改革に係る講演等を行う。19年より現職
(文:國貞文隆、注記のない写真:尾形文繁)
東洋経済education × ICT編集部
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