元ビリギャル・小林さやか「米国名門大学院進学」決めた理由とは? 「偏差値30から慶応大」経て描く、教育の夢とは?

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そう語る小林さん。留学後はどのような展望を持っているのか。

「大学院では、どのような環境があれば、子どもたちは主体的に学びというものを楽しめるのか。そこを中心に学びたいと思っています。将来的には大学院で学んだことを皆さんにシェアしていきたい。具体的には、学校教育の現場の先生たちをサポートできるような役割を果たしていきたいと考えています」

今、日本の教育は変わろうとしている。新たな学習指導要領はまさに変化する時代に適した内容に生まれ変わった。しかし、現場の先生たちの意識を変えるまでにはまだ至っていない。変えていくことは本当に難しいのだ。それは先生たちの問題ではなく、今の学校の仕組みの問題のほうが大きいと小林さんは指摘する。

「学校教育が目指すべき目標は、もうすでにしっかりとある印象です。しかし、その本質的な部分を現場の先生方がしっかりと理解し、実践していくには時間もかかると思います。また、非常に難しい課題でもあるでしょう。私は、そこに貢献したいのです」

一方、今は高校卒業後、日本の大学ではなく海外の大学に目を向ける生徒たちが増えている。小林さんは、やはり海外にはいろいろな大学があり、質のよい教育を受ける可能性も高まるのでは、という。

「私も、かつては日本の大学しか選択肢がないと思っていた一人ですが、今は海外に行きたいと思えば行ける時代です。奨学金制度もあるし、日本より安い学費で質のよい教育が受けられる大学もたくさんあります。もちろん日本の教育にもよいところがあるし、海外に行くことがすべてだとは思っていません。しかし、選択肢が多いことはメリットでしかありません。日本にせよ、海外にせよ、選択肢が増えればワクワクできるものや自分に合った環境に恵まれる可能性も広がります。何も立派な目標がなくてもいい。ただ海外に行ってみたい、それでもいいと思います。狭い視野で限られた選択肢の中から選ぶことを子どもたちに強いているのは大人たちです。本来は選択肢がたくさんあるのに、『自分とは無縁だ』『自分にはどうせ無理だ』と、子どもたちが思っていることこそが問題だと思っています」

自分を信じてくれる人が一人でもいれば、頑張れる

そんな将来のある子どもたちに主体的な学びを身に付けさせるために先生や保護者はどんなことに気をつけるべきか。小林さんがアドバイスする。

「心理学にピグマリオン効果というものがあります。これは、一口に言えば、信じれば人は伸びるという効果です。私がビリギャルから無事慶応大学に合格できたのも、このピグマリオン効果(坪田先生と母)のおかげだと思います。その対義語としてゴーレム効果というものがあります。こちらは、周りが何をやってもどうせダメだと言い続けると、本当にその子の能力が下がってしまう効果です。子どもが伸びると信じて指導をすれば、本当に子どもは伸びるのです。これは、何も教育に限った話ではありません。会社でも夫婦間でも同じことが言えるでしょう。私たちは自分一人で学んでいるわけではありません。他者との相互関係の中で、自分のことを知るし、学習もしていくのです。自分を信じてくれる人が一人でもいれば、学習者自身も自分を信じて頑張ることができる。それが私の理想とする学習環境なのです」

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