来週のドル・円相場は1ドル=130円を視野に上昇する見通し。日米金利差拡大や日本の経常収支の悪化懸念を手掛かりに、アベノミクス導入後の最高値(125円86銭)を更新、約20年ぶりに高値を付けた足元の上昇トレンドが続くとみられている。週央に開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議での日米要人発言に注目が集まっている。
市場関係者の見方
三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの西田朋広主任調査役
- 来週のドル・円は128円をめどに上値を探りそう。来週中の130円トライも十分ありえる
- 注目の材料はG20会合での日米要人発言。特に黒田東彦日銀総裁の円安に対するリスク評価が変わった場合には調整のきっかけになりそう。ただ下値は125円割れがせいぜいか
- 確率が非常に小さいテールリスクとしては米当局が円相場に触れること。この場合はかなりサプライズで120円に向けた調整局面に入ることも
- 日本の貿易収支にも注目。経常収支の悪化懸念が円売り材料となる中で、予想より赤字幅が大きいと円売りが出そう
- このほか、国内投資家の外債投資動向にも注目。週次統計では期初の益出しによる外債売りも一巡。金利上昇を受けてキャリーが取りやすく、積み上げが出てもおかしくない
来週の主な予定
- 20日:
- G20財務相・中央銀行総裁会議
- 米ベージュブック
- 日本の3月貿易収支:市場予想は708億円の赤字、2月は6697億円の赤字
- 21日:
- パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長とラガルド欧州中銀(ECB)総裁が、国際通貨基金(IMF)のパネルディスカッションに参加
- FRB高官発言が相次ぐ
- セントルイス連銀のブラード総裁(18日)、シカゴ連銀のエバンス総裁(19日)、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁(20日)、アトランタ連銀のボスティック総裁(20日)
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著者:酒井大輔
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