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年金は「定年後」と考える人たちの大きな誤解 働きながらもらう「厚生年金」の仕組みが変わる

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法改正後は、もっと多く稼いでも年金を削られなくなる。新たな仕組みは「働く高齢者」の背中を後押しするものだ。

(写真:mits/PIXTA)

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年金というと定年後のイメージがあるが、実は働きながら厚生年金をもらうことができる。それが「在職老齢年金」だ。

ただし、年金を受け取る高齢者には、制限がある。国からもらう年金(月額換算金額)と、会社からもらう給与(総報酬月額相当額)の合計が、ある一定額を超えたとき、年金のほうが減らされる仕組みになっているのだ。

月47万円までならOK

改正前の2022年3月まで、60~64歳の人は給与と年金を合わせた合計金額が月「28万円」を超えた場合、原則として、超えた額の2分の1に当たる年金が支給停止となっていた。

例えば、年金が月10万円、給与が月25万円とすると、合わせて 35万円。支給停止基準(減額基準)の28万円を7万円オーバーするので、その半分の3.5万円分の年金を削られてしまう。

また65歳以上の人は、年金と給与の合計が月「47万円」を超えたら、超えた分の2分の1の年金がカットされていたのである。

働いて給与をもらっても年金が減ってしまう仕組みでは、多くの働くシニアにとって納得がいかない。実際に60~64歳の人の55%が年金をカットされていた(18年度厚生労働省調査)。そこで企業は継続雇用の給与について、定年前の給与と比べて60%程度に抑えるなど、年金の支給を停止されない範囲で調整してきたのだ。

本来なら評価によって決まる給与が、年金との調整で決まる不合理な結果となり、働く意欲がなくなる弊害も指摘されていた。

これが改正後の22年4月からは、60~64歳の人も65歳の人と同様に、給与と年金を合わせて月「47万円」の支給停止基準を超えると、その2分の1の年金が支給停止となるよう、統一された。

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