公的年金は“長生きリスク”に備える重要な生活の糧だ。ただ漫然と受け取るのでなく、節税や運用で賢く増やしたいところ。老後をにらみ、今から取り組めば遅くない。
ここでは年金を増やす有力な手段である、iDeCo(個人型確定拠出年金)とNISA(少額投資非課税制度)を解説する。
iDeCo編
「iDeCo(イデコ)」は個人型確定拠出年金の愛称だ。2001年からスタートし当初は自営業者や企業年金のない会社員向けだった。2017年に公務員や専業主婦、企業年金のある会社員などに対象が拡大してから、飛躍的に成長。2021年3月末では約194万人が加入している。
企業が運営する企業年金とは異なり、iDeCoは個人で自由な選択・加入が可能だ。年金だから受給は原則60歳以降である。掛け金は月5000円から出せるが、働き方によって限度額が異なるので、注意したい。
企業年金のある会社員は掛け金の上限が月1.2万円、企業年金のない会社員や専業主婦は月2.3万円、自営業者は月6.8万円となる。自営業者の上限が高いのは、基礎年金のみで厚生年金がなく、老後の資金に自助努力が望まれているからだ。
何といっても魅力は、掛け金が全額所得控除になること。掛け金が月2.3万円(年27.6万円)なら、税率20%とすれば、年5.5万円ほど税を軽くする。実質負担が80%なため、単年度で25%の運用収益を確保したに等しい。会社員にとって節税できる貴重な手段は、現状、住宅ローン減税とiDeCoくらいしかない。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら