日野トラック検査不正、専門家が語る根本原因 現場のプレッシャー、社内管理体制に問題あり

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日野自動車が起こしたエンジンの検査不正。制度作りに関わった専門家は「裏切られた」と話す。

日野は業界注目の技術を使ったエンジンで不正をしていた(編集部撮影)
国内トラックメーカー大手の日野自動車による、エンジンの認証試験での不正行為が発覚して1カ月余り。国土交通省は日野自動車本社への立ち入り調査を実施。3月29日には不正行為が確認された4種類の該当エンジンが搭載された日野自動車などのトラックの型式指定を取り消した。
該当エンジンは4種類だ。2016年(平成28年)に施行された排出ガス規制対象の中型エンジンでは、試験途中にマフラーを交換し、排出ガスの規定値を偽った。さらに、大型エンジン2種類と小型エンジン1種類では、本来の燃費性能と比べてよい値が表示されるように操作した。
エンジンの専門家は不正行為についてどう見ているのか。現行の排出ガス・燃費規制の基準を決める委員会で委員長を務めた早稲田大学の大聖泰弘名誉教授に聞いた。

 

――不正のあった日野のエンジンとはどんなものなのでしょうか。

エンジンでは燃焼すると、窒素酸化物(NOx)といった有害物質が発生する。それを触媒で還元し、低減させる排気後処理装置という浄化装置があるが、日野の装置は還元剤として通常の尿素水を使用せず、燃料自体を使う方法を採用している。尿素水の交換が必要ないなどユーザーにとって利便性の高い技術で、学界でも注目されていただけに、不正があったことは非常に残念で、裏切られた気持ちだ。

事実上、量産ができなくなった

――国土交通省が型式指定の取り消しをしました。

厳しい行政処分だ。型式指定が取り消されることは、道路運送車両法が施行されて以来初めてだ。

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