スープ専門店チェーン「スープストックトーキョー」開業前の35歳から、今年1月60歳になるまでの25年、月刊誌『味の手帖』に連載したコラム200本を収めた1冊。手がけてきた事業はそれぞれ後進に託し、現代アート分野へ軸を移して活動を続ける著者が思い描く、今後のこと。
“新種の老人”はノー定義 何かを始める手形にどうぞ!
──毎回異なる趣向で、食や旅、出会い、何かの決意あり、妄想あり。とくに妄想は、独自の美意識を映した光景から究極のグロテスクまで。とにかく、鮮烈でした。
へえ、面白そう、全然覚えてない(笑)。書いたときはめちゃめちゃお気に入りだったんだろうね、その妄想。大抵オチなど考えずに、オモロッと思うと書き出してましたね。33歳で絵の初個展を開いてはいたけど、文章は未経験の一サラリーマンだった。声をかけてもらえて、当時はうれしかった。
連載3年目に「スープストックトーキョー」1号店を出すんですけど、その企画書は「共感」が一つのテーマになっていて、われわれが作って提供するスープに共感してもらえたらと思った。ビジネスの前に、まず自分たちの思考や好み、センスがあって「自分はこういう生き物です」と発していく。それはコラムも一緒でした。
──コロナが蔓延し出した一昨年春には「『かつて』は戻ってこない。いや戻してもいけない」と。
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