「格差か人種問題か」。政治団体、米民主社会主義者(DSA)の機関誌的存在である『ジャコビン』と、系列の理論誌『カタリスト』が米国の左派の将来をめぐる特集を組み、人種問題よりも格差解消(階級闘争)を優先しなければ、左派運動と民主党は労働者の支持を失いジリ貧になると危機感を訴えた。民主党左派内には格差よりも人種問題が優先だと考える人も多い。左派内の亀裂と路線闘争を示す出来事だ。
DSAはバーニー・サンダース上院議員やアレキサンドリア・オカシオコルテス(通称AOC)下院議員らの選挙運動を支え、米国で台頭する社会主義(実態は西欧型社会民主主義)の原動力になってきた。だが『ジャコビン』は「AOC(との)ハネムーンの終わり」と題した記事で、サンダースの労働者重視路線を離れ出したAOCを批判。他方、『カタリスト』は2019年夏のニューヨーク・タイムズ紙の大特集「1619プロジェクト」の歴史歪曲を徹底批判する記事を掲載した。
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