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「エンゲル係数上昇の裏に節約志向」 「がん治療に不可欠な医療用麻薬」ほか

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有力機関による調査・研究リポートからビジネスに役立つ逸品をえりすぐり、そのエッセンスを紹介。

エンゲル係数上昇の裏に節約志向

── 食料品価格上昇だけでは説明できない

・第一生命経済研究所「エンゲル係数上昇の内幕」(2022年2月4日)
・第一生命経済研究所 経済調査部主席エコノミスト 熊野英生
小麦や油脂への支出は、消費支出と逆相関の傾向。節約志向により、楽しみを家庭での料理に振り向ける効果も(PIXTA)

消費支出に占める食料品の割合「エンゲル係数」が2014年ごろから上昇し、過去最高に近いレベルにある。本リポートはその背景を分析する。

まず考えられるのが、エンゲル係数が高い傾向のある高齢世帯の増加と、物価上昇だ。後者について、輸入依存度の高い食料品の価格は、国内がデフレでも、海外の経済成長に伴う上昇圧力がかかりやすい。実際に、輸入割合の高い果実や魚介類の価格上昇が目立つ。

女性の労働力化、コロナ禍の外食機会減少を受け、支出増が目立つ調理食品の中では、冷凍食品の価格が上がっている。

だが、エンゲル係数上昇の要因は物価上昇だけではなさそうだ。消費支出と食料品(外食を除く)支出の関係は、14年以降、消費支出が減ると食料品支出が増える逆相関の傾向が強まっている。中でも、油脂・調味料、酒類などは逆相関が強い。一方、外食やレジャー関連支出は順相関が見られ、消費支出が減ると一緒に減っている。

本リポートは、お金をかけずに楽しもうとする節約志向の強まりによって、楽しみを家庭料理に振り向ける代替効果が働き、エンゲル係数が上昇するという側面もあるとみている。

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