「加盟申請は不可避 課題は戦略的自律性」 インタビュー/韓国・国立外交院経済・通商・開発研究部長 金 良姫
中国や台湾などの加盟申請が相次ぐTPP。とくに韓国の申請の意義について、日韓の専門家に聞いた。

東京大学大学院博士。サムスン経済研究所首席研究員、対外経済政策研究院先任研究委員などを経て現職。
──文在寅(ムンジェイン)政権の任期終了まで残り半年でTPPへの加盟申請を発表しました。
2022年5月からの新政権発足後では遅いと判断したようだ。また22年1月にRCEPが発効したので、対中・対米関係のバランスを取るためにもTPPへの加盟は必要だろう。
──中国が21年9月に加盟申請を発表したことも影響しましたか。
中国の加盟後に韓国の加盟を反対される可能性はとても低い。ただTPPの意思決定は(加盟国による)満場一致が条件であり、加盟がスムーズにいかない可能性を考慮したと思う。仮に中国が先に加盟したら、韓国や台湾の加盟に影響力を行使する可能性も排除できない。その点で、(加盟国にとって)中国よりも先に韓国を加盟させることは悪くない選択だろう。
──TPPへの加盟で、韓国の貿易構造にどんな変化が生じるでしょうか。
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