出版社とIT企業の思惑 沸騰する漫画アプリ市場
競争か共存か? 急成長市場で各社の思惑が激しく交錯している。
今、漫画市場が熱い──。出版科学研究所の調査によれば、コミックの販売額は1995年の5864億円をピークに下降の一途をたどってきた。だが、2020年は『鬼滅の刃』の驚異的大ヒットもあり、6126億円までV字回復するなど、78年の統計開始以来最大の規模となった。
コミック誌が伸び悩む中、市場を牽引するのが電子コミックだ。中でも、ひときわ存在感を増しているのが「漫画アプリ」である。
通常の電子書籍は、出版社から電子書籍取次を経由して、コミックの単行本や週刊誌などを販売する。一方、漫画アプリは広告動画の視聴で漫画を無料で提供する、単行本ではなく1話当たりで漫画を販売する、有料の読み放題サービスなど、幅広い購読形態を展開できるという特長がある。
ある電子取次幹部は「(電子コミック市場の)30〜40%程度は漫画アプリとみている」と語る。少なくとも足元では1000億円の市場が漫画アプリに存在する計算になる。
大手出版でアプリ乱立も
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