企業の成長に欠かせない手段となっているM&A。その巧者たちの戦略を追った。
ビザスク
小が大をのむ異例の買収
世界展開への第一歩
ネットや文献ではわからない専門領域の情報や消費者の声などについての知見を有するアドバイザーと、事業に役立つ情報を得たい顧客企業をつなぐ。こうした「スポットコンサル」と呼ばれる仕組みを仲介するのが、ビザスクだ。
情報収集を効率化するため、銀行やコンサルティング会社、電機メーカーなど業種を問わず幅広い企業が利用する。ビザスクは圧倒的な国内アドバイザーの数を武器に成長を続けており、売上高は上場直前の2020年2月期で9.8億円だったが、22年2月期はその3倍以上の34億円を見込む。
今年8月、ビザスクの株価が4000円前後から6000円台に急騰した。要因は巨額買収だ。米国の同業、コールマン・リサーチ・グループを112億円で子会社化。コールマンはビザスクの2倍近い売り上げを稼いでおり、「小が大をのむ」買収となった。
これによって、収益の源泉であるアドバイザーの数を従来の16万人から海外を中心に40万人まで拡大する。今後は日本の顧客企業と海外のアドバイザーをマッチングさせる案件の拡大を狙う。中長期では国内外合わせてアドバイザー数100万人を目指す。
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