ケネディクス「賃貸戸建てファンド」組成の全貌 「戸建て投資は難しい」業界の常識に一石投じる
国内でも珍しい賃貸戸建て住宅を投資対象にした不動産ファンドが登場した。どれだけの投資家を集められるのか。
「どうやって事業化したのか」
不動産業界関係者の注目を集めているのが、ファンド運用大手のケネディクスが8月に組成した「賃貸戸建て」を対象にした不動産ファンドだ。
物件供給元としてオープンハウスグループ、飯田グループホールディングス、三栄建築設計の建売大手3社と提携。8月末にオープンハウスグループと三栄建築設計から新築戸建て91物件を取得、運用を開始した。9月も追加で飯田グループホールディングスから43物件の取得を予定する。
日本における賃貸住宅投資といえば、もっぱらマンションが対象になってきた。戸建ては管理に手間がかかるうえ、賃料や中古相場も未成熟のため、機関投資家の間では「投資商品として成り立ちにくい」とされてきた。日本でも希有な戸建てファンドをどのようにして実現したのか。
在宅勤務の普及で戸建て需要に手応え
ケネディクスは賃貸マンションだけでなく、オフィスや商業・物流施設、ホテルなど幅広い物件を対象にした不動産ファンドの運用を受託している。戸建てについては同業他社と同様、これまで投資対象としていなかった。
ケネディクス社内で戸建てファンドの検討が始まったのは2020年夏。外出自粛や在宅勤務の普及によって、面積の広い住宅への関心が高まり始めた時期だ。「ハウスメーカーが戸建ての販売を伸ばしており、戸建て需要の高まりを感じた」。企画を担当したケネディクスの市川悠・投資第四部長は語る。
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