不動とみられてきた5大商社の序列が大転換を見せている。次の一手をどう打つか。各社のトップを直撃した。
──伊藤忠商事の特徴をどう捉えていますか。
岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)の方針が組織に徹底されており、一体感が強い。事業でいえば、ぶっちぎりで強い部門はない。しかし、必ず業界の2、3番手にはいるポートフォリオが組めている。これは他社と違うところだ。
私の出身部門の化学品は商社業界で万年4位だったので、投資などで大きなことをさせてもらえなかった。だから、私の発想もマーケットイン(消費者のニーズを受けて製品を作る)にならざるをえなくなったのかもしれない。
稼ぐためには、どぶ板営業をやって情報を集め、とにかくお客さんを回ること。そしておそらくお客はこういうことに困るだろうと仮定して動く。その積み重ねだった。化学業界の先には、繊維、自動車、タイヤ、食品などさまざまな業界がある。いろんな業種に興味を持って勉強してきた。
――社長に就任して岡藤会長からどんなアドバイスが?
「焦ってやるなよ」と言われている。
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