不動とみられてきた5大商社の序列が大転換を見せている。次の一手をどう打つか。各社のトップを直撃した。

業界1位について「意識しないようにやる」と述べた石井社長(撮影:梅谷秀司)
石井敬太氏の社長就任は本人もまったく予想していなかったというサプライズ人事だった。
純利益、時価総額とで業界の首位に立った伊藤忠を、どう牽引していくのか。石井社長は「ゴール目がけて、自分のすべてを懸けて走っていく」と語った。
──伊藤忠商事の特徴をどう捉えていますか。
岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)の方針が組織に徹底されており、一体感が強い。事業でいえば、ぶっちぎりで強い部門はない。しかし、必ず業界の2、3番手にはいるポートフォリオが組めている。これは他社と違うところだ。
私の出身部門の化学品は商社業界で万年4位だったので、投資などで大きなことをさせてもらえなかった。だから、私の発想もマーケットイン(消費者のニーズを受けて製品を作る)にならざるをえなくなったのかもしれない。
稼ぐためには、どぶ板営業をやって情報を集め、とにかくお客さんを回ること。そしておそらくお客はこういうことに困るだろうと仮定して動く。その積み重ねだった。化学業界の先には、繊維、自動車、タイヤ、食品などさまざまな業界がある。いろんな業種に興味を持って勉強してきた。
――社長に就任して岡藤会長からどんなアドバイスが?
「焦ってやるなよ」と言われている。
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