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「主人公たちの視点で僕は鉄道を撮る」 森田芳光監督が生前に語った「鉄道愛」

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森田芳光監督。鉄道についての語り口が真剣であればあるほど鉄道愛が際立つ(写真:田所千代美。2011月4月22日東映本社にて撮影)
『家族ゲーム』や『失楽園』『間宮兄弟』など、数々の名作を世に送り出してきた、森田芳光監督。 2011年12月、61歳という若さで急逝した。最後の作品となったのが、『僕達急行ーA列車で行こうー』。鉄道を愛する2人の主人公がその趣味をいかんなく発揮しながら、恋や仕事に向き合っていくコメディだ。 森田監督は大の鉄道ファンだった。亡くなる前、2011年4月に森田監督とのインタビューを実施し、週刊東洋経済臨時増刊『鉄道完全解明 2011』(2011年6月発売)の誌上でインタビュー記事を掲載した。その内容を再録する。

私は「風景鉄」です

 ――鉄道をテーマにした映画を撮ろうと思ったきっかけは?

 子どもの頃から鉄道好きでした。僕の家は渋谷の円山町にあって、井の頭線の神泉駅が近い。うちが商売やっていたので、一人でつまらないときは見に行ってました。あと、渋谷には玉電や東横線、都電もあったし、鉄道に関しては非常に恵まれた環境で、それですごく好きになっていきました。映画監督になる前には、8ミリで鉄道だけを撮った映画を作ったこともあります。そういうこともあって、昔から鉄道ファンのことが気になっていました。別にすごいオタクってわけじゃないけど、いつかそういう趣味の世界の人間たちを撮ってみようかなって思って。

 ――お気に入りの鉄道シーンは。

 鉄道マニアとしては西鉄と京急が一緒に走っている、あのジオラマですか。あの世界がやっぱりドキッとします。実際にはありえないことですからね。自分の映画のシーンだけどびっくりしました。

 小さい頃、「Oゲージ」を持っていたのです。特急とかではなく薄いグリーンと、ちょっとブルーみたいな感じの電気機関車と貨物。それを走らせていたから、というのもあります。

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