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「わざわざ乗りに来る」観光列車に不可欠な要素 乗客が求めているのは「豪華さ」ばかりでない

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富士急行は写真の「富士山ビュー特急」や、「富士登山電車」「フジサン特急」を運行する(撮影:尾形文繁)

鉄道に求められる使命として、「観光輸送」は、かなり目立つ分野である。大都市圏の通勤通学輸送と比べると、輸送量としては決して多くはないと思われるが、全国的に著名な観光地へ向かう列車は、シーズンにはなかなかの混雑ぶりを見せるものだ。新型コロナウイルス感染症の流行が一段落すれば、抑えつけられていた欲求の反動として、流行前以上に観光地がにぎわってほしい。

さらに一歩進めて、鉄道そのものを観光資源とし「列車に乗ること自体」を楽しむ傾向も、今ではポピュラーなものといえるだろう。これは旅客や貨物の輸送を使命とし、日本の経済、ひいては国民の生活を支えてきた鉄道としては、大きな発想の転換である。

その始まりは、1970年頃のSLブームの時代か。蒸気機関車が各地で観光客を集め、注目された。さらに静岡県の大井川鉄道が、1976年から蒸気機関車(SL)の動態保存運転を始めている。A駅からB駅への輸送目的はまったく眼中になく、確実に「乗って楽しむため”だけ”の列車」である。同社ではSLの運転により関連事業を含めた会社全体で収益を上げて、地域の足であるローカル列車を維持していく経営姿勢を貫いている。

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