注目されていた人口センサス。少子化の中で、人口や経済政策をめぐる議論が活発化している。
5月10日、中国の2020年の人口センサス(国勢調査)の結果が予定よりも遅れて公表された。20年11月1日時点の総人口は14億1177万人。10年調査よりも7205万人多く、10年間の年平均増加率は0.53%。教育水準の向上や都市化の進展など中国にとって前向きな要素も含まれるものの、少子高齢化の深刻さが改めて確認された。
ここでは3点指摘しておきたい。
1つ目の論点は少子化である。国家統計局の記者会見によれば、20年の出生児は1200万人で、合計特殊出生率(TFR)は1.3である。TFRは1人の女性が生涯に産む子供の数を昨年の値から推計したものである。1.3は国際連合の人口推計が用いている1.7よりも大幅に低い。このため国連の推計見直しは不可避だ。ちなみに日本の19年の値は1.36で、中国は日本並みの水準となった。
今後の出生率をめぐっては複数の見方が登場した。1つは、16年以降の一人っ子政策の緩和によって2人目をもうける家庭が増えていたが、今後は緩和効果が減衰し、少子化に拍車がかかるとの見方だ。TFRは1.0〜1.1にまで低下するとの立場もある。
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