中国の米国に対する姿勢は日本向けよりマイルドだ。そこには中国ならではの外交戦略がある。
4月17日(日本時間)、米ワシントンDCでの日米首脳会談後に発表された共同声明は、中国を強く牽制する内容だった。首脳による共同声明としては1969年以来初めて台湾に言及、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に対しても深刻な懸念を表明した。
日本メディアは中国が強く反発したと報じているが、在米中国大使館が「強烈な不満と断固反対を表明する」との談話を発表した以外には、公式に強い反発の姿勢を示したり対抗措置を取ったりしていない。
国営新華社通信は会談の当日、会談の事実や声明の簡単な内容を報道するにとどめている。記事では両首脳の発言として、「中国および北朝鮮からの課題」や「インド太平洋地域および世界の平和と繁栄に対する中国の影響」といわれるものに対する協力について議論されたことを伝えているが、日本と米国が中国と「率直な対話」を行うことが必要であると述べたと締めくくっている。
新華社の記事では表面的には批判を避けているが、中国政府の心中は穏やかではなかっただろう。
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