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未来をひとごとにせず200年後に心を配る 第3部 私たちはどこへ行くのか

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120歳や130歳までも生きられる

今後50年の間に多種多様なテクノロジーが登場してくれば、健康寿命はどの程度延びていくのか。例えば、DNAモニターでがんや感染症、免疫疾患を発症前に検知できたり、サバイバル回路を活性化して長寿遺伝子を働かせるような分子を摂取したりすれば、私たちは平均寿命で120歳や130歳まで生きられるようになるだろう。

健康で長生きできることはたいへん有意義だが、世界の人口が急増すれば、さまざまな課題が起きる。食糧や資源の不足が起こり、高齢者が増えて年金などの社会保障はどうなるのか。富裕層だけが長寿を享受し貧困層が取り残されるなど、究極の格差が生じることはないか。

高齢の有権者が増えれば、高齢の政治家が支持される。米連邦議会議員の平均年齢は有権者の平均年齢を20歳も上回っている。高齢であることが悪いわけではない。過去にしがみつくことが危険なのだ。高齢の暴君が長く権力にしがみつくようになれば、寛容で公正で多様性を受け入れる社会へと進む原動力が突如変わってしまう問題も起こりうる。

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