病気の最大原因「老化」を死因と認めない社会
西洋の医学では、「老化」よりも直接的な死因が必ずあると考えるようになった。死因を特定することが絶対に必要だと信じるに至ったのだ。
世界保健機関(WHO)が発行する「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」は、病気や症状、外傷の原因などを列挙した資料である。1893年に初めて世に出たときには、161個の見出しがあった。現在ではそれが1万4000個を超えている。
死亡情報を維持管理しているほとんどの地域で、公衆衛生の役人や医師はこの資料に記されたコードを用い、傷害や死亡の直接原因と根本原因を記録している。
それを参考にして、世界の医学界のリーダーや政策立案者が公衆衛生上の決断を下している。死亡証明書に現れる回数の多い死因ほど、社会はその根絶を目指していると考えていい。
だからこそ、心臓病や2型糖尿病や認知症が、現在進行中の医学研究と治療法開発の主軸となっている。だが、老化には焦点が当たっていない。そうした病気すべての最大の原因は老化だというのに。
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