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ペプチドリームの快進撃 営業利益率59%の優等生

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独自の創薬プラットフォームを有する製薬の黒子。業界のインテルが目標だ。

川崎市にある本社(撮影:尾形文繁)

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2013年の上場以来、変則の6カ月決算だった19年12月期を除いて業績を伸ばし続けている国内では希有なバイオベンチャーがある。東京大学発の創薬ベンチャー、ペプチドリームだ。20年12月期の売上高は116億円、営業利益は69億円。営業利益率は59%と、驚異的な数字だ。

06年に「特殊ペプチド」で独自の技術を持つ東京大学大学院の菅裕明教授(18年まで取締役)と実業家の窪田規一氏(今年3月まで会長、記事下にインタビュー)が共同で創業した。

創薬技術の中心は、長くこの世界を席巻してきた低分子医薬から、00年前後を境に、抗体を中心とした高分子医薬へとシフトしてきた。さらに近年は抗体医薬の開発にも限界説がささやかれ始め、これらに代わる「第3の創薬技術」としてペプチドを使う創薬への期待が高まっている。

ただ低分子、高分子双方のよさを持つ中分子のペプチドにも弱点はある。中でも1番の難点は、体内に注入してもすぐ消えてしまい安定しないということだ。

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