日銀は点検を通じて黒田東彦総裁が任期を終える23年4月までは今の緩和政策を続けることを明確化した。副作用を考えて微調整はするが、2%の物価目標やイールドカーブ・コントロールなど現行政策の枠組みは正しく、今後も継続していくことを確認した。
市場への過剰な介入を副作用と考えれば、ETFの買い入れを柔軟化したことやTOPIX(東証株価指数)型のみにしたことは適切であり、もっと早くやるべきだった。貸出促進付利制度の創設は、緩和限界論を否定する意味合いが大きい。だが、これで副作用を低減できるのなら、物価が低迷する今、なぜマイナス金利の深掘りをしないのか。そうしないのは、副作用が大きくなることを日銀自身が認めているからだ。
2%目標の達成は極めて難しい。マイナス金利の解除も、できたとしても黒田総裁が辞めてから何年か先だろう。問題なのは、なぜ2%目標を追求するかが国民に伝わっていないこと。点検すべきは日銀のコミュニケーションだった。
一方、FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げに慎重だ。インフレ率が一時的に2%を超えても、来年には鈍化するとみており、ゼロ金利政策はやめない。(物価が2%を安定して上回るまでゼロ金利を続ける)「平均インフレ目標」を導入しているからだ。
難しいのがテーパリング開始の議論だ。FRBは物価安定と雇用最大化に向け「大きな進展」があるまで今の買い入れ規模を維持する方針だ。コロナ禍で米国の経済再開は本格化しておらず、テーパリングは時期尚早との考え方だ。ただ今後、雇用者数が毎月急増すれば、議論になる可能性がある。当社はテーパリング開始を市場予想より早い今年9月とみている。ただ利上げ開始については24年とみており、市場予想より遅めだ。
(労働需給を意図的に過熱させて成長力強化を狙う)米国の高圧経済的な政策はある種ギャンブルで、順調にいくかどうかはわからない。確かなのは、経済再開が本格化するのはこれからで、金融緩和が続くこと。株価はまだ上がると考えるのが自然で、年内に調整はあっても弱気相場への転換はない。
(構成 中村 稔)






















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