日本は構造的にインフレになりにくい
――日銀の「金融緩和の点検」をどのように予想していますか。
2020年12月に点検をやると発表したとき、何のためにやるのかと驚いた。国債の買い入れについてはイールドカーブ・コントロール(YCC)の導入により量が重要でなくなり、コロナ禍で国債の買い入れは無制限になった。
10年債金利は2018年に変動幅を拡大させ、ETFやJ-REITの買い入れも弾力化している。緩和手段としてこれ以上やることはない。
日銀は今回、金融緩和をより効果的にすると言っているが、これまで物価目標の2%に近づけるような効果のある政策はなかった。追加緩和は考えにくいし、金融緩和の枠組みは変えないと言っていることからすると、あとは「柔軟性の拡大」しか考えられない。
狙いは恐らく2つある。
1つは10年債金利の変動幅拡大。現在のプラスマイナス0.2%をプラスマイナス0.4~0.5%にする。アメリカの金利上昇とともに、日欧の金利も上昇しているが、変動幅が狭いとコントロールが大変になる。YCCをやりやすくするとともに、イールドカーブの傾きを急にしたいのだろう。
――もう1つは何ですか。
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