化粧品市場、「3000億円」蒸発の衝撃 事業の「取捨選択」を迫られるメーカー

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コロナ禍で訪日外国人の姿が消えた。わが世の春を謳歌していた化粧品業界は今、大きな曲がり角を迎えている。

コロナ禍でインバウンド客が急減した東京・銀座。化粧品の売り上げにも大きな影響が出た(記者撮影)

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「SHISEIDO」閉店のお知らせ。当店は2021年1月17日をもちまして閉店いたしました。ご愛顧を賜りありがとうございました――。つい最近まで多くの人で賑わっていたかと思うと、店頭に張り出された紙がどこか物悲しい。

2017年4月に開業した東京・中央区の「GINZA SIX」。銀座最大の商業施設も新型コロナウイルスの感染拡大の影響から逃れられず、テナントの大量入れ替えが始まっている。34店が入っていた地下1階の化粧品売り場も、資生堂の主力ブランドである「SHISEIDO」のほか、ロレアルの「shu uemura」など7店が撤退した。代わりに4月にかけて9ブランドが入居する予定だ。

フロアを見渡すと人はほとんどいない。というのも、銀座で化粧品を購入する顧客は、観光客や仕事帰りの会社員、銀座で営業するクラブのママが中心だった。コロナ禍を受けた外出自粛や在宅勤務、飲食店の時短経営により、それら主要顧客層が消えてしまった。

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