爆買い中国人が殺到する「海南島」の正体 日本メーカーも矢継ぎ早に進出

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
2020年11月、海南島の日月広場免税店で買い物をする消費者(写真:新華社/共同通信イメージズ)

特集「暗転! 化粧品」の他の記事を読む

インバウンド需要が盛り上がっていたころ、品切れを起こしていた資生堂の美容液「アルティミューン」。それが3つも買えば15%引きで購入できる。しかも免税対象だ。

1つ当たりの値段は576元(約9200円)。日本で購入するより4000円近く安い。商品が売られているのは、中国・海南島にある免税店「三亜国際免税城」のオンラインショップだった。

香港や広州の南に位置する海南島。九州と同じくらいの面積のこの熱帯の島は、「中国のハワイ」とも言われる観光地だ。

「三亜国際免税城」のオンラインショップでは、コーセーの「DECORTE(デコルテ)」や「雪肌精」のほか、「SK=Ⅱ」や「エスティローダー」といった海外有名ブランドの商品も割引価格で販売されている。もちろん店頭でも割引された免税商品を購入することができる。

島内の化粧品売り上げは2020年に急拡大

「一部の化粧品ブランドではテナント内に客が入れず、外に列を作っていた」。そう話すのは、2020年11月に海南島の免税店を視察した日本貿易振興機構(ジェトロ)の田中琳大郎氏だ。

その盛り上がりはデータにも顕著に表れている。島内における化粧品の売上高は、2020年3月まで前年と同水準だったが、4月以降は急拡大。2020年の累計では、192億元(約3100億円)と、前年比で2倍以上になった。

「海南島が急成長を遂げ、売り上げ面において大きなプラスとなっている」(コーセー)、「海南島の売り上げは伸長している」(資生堂)。日本の化粧品メーカー各社も、成長の地としての海南島に熱視線を注ぐ。

なぜ一大ブームになりつつあるのか。キーワードは「離島免税」だ。

次ページ中国政府が国内消費を誘導
関連記事
トピックボードAD