新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛を機に高まった内食需要は、スーパー各社の業績を潤している。東京・多摩地区を中心にスーパーを約140店展開するいなげやもその1社だ。
2021年3月期の営業利益は、前期実績の2.6倍と大きく伸びる見込み。同社の本杉吉員社長は、「ここ数年は業績が低迷し経費削減だけが続いてきた。次への取り組みが弱くなっていた」と振り返る。2021年をこれまでの停滞を打ち破るチャンスの時期とする考えだ。
コロナ禍で社会での役割を再認識
――2020年を振り返ると、どういう年でしたか。
コロナで始まりコロナで終わったような年だった。社長就任の7日目に政府の緊急事態宣言。店舗営業を続けることが当社の最重要課題となった。
従業員も含め感染が拡大していったときを想定して、どのような順番で店を閉めていくのか、どの店を旗艦店にして営業を続けていくのかなど決めておく必要があった。緊急事態宣言が出てしばらくは臨時の会議を毎日開いていた。
――スーパー従業員は医療従事者などと同様に人々の生活維持に不可欠な「エッセンシャルワーカー」として一躍注目を集めました。
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