着々と成果を上げる国家主導の技術開発。それは日本の外部環境の激変を意味する。
習近平主席は人民に優しい。党幹部の腐敗を一掃し、縁故主義を廃し、「法に基づくガバナンス」を唱えて社会ルールを透明化した。ハイテク産業を育成し、環境を保護し、持続可能で豊かな社会の形成に励んだ。英明な主席が指し示す方向に突き進めば、人民はよりよい未来を得られる──大衆にそう信じさせることができれば、中国共産党の「民主集中制」、すなわち独裁体制は安泰だ。
今のところ、習近平はそれにかなり成功している。カギは科学技術だ。新型コロナウイルスの感染拡大は武漢で始まったが、デジタル技術を駆使したその抑え込みは功を奏した。2020年12月に月面探査機「嫦娥(じょうが)5号」が月の土を持ち帰ったニュースも国民を歓喜させた。習近平は後者を、中国の「新型挙国体制の優越性」がもたらした成果だと称賛した。
中共と自分の運命を同一視できる人々にとって、習近平体制はすばらしい。しかし、中共が主張する「中国」の枠内にいながら、中共に違和感を持ち続ける人々にとって、その成果は重苦しい。チベット、新疆、香港、台湾などでは、多くの人々が中共の監視の目と社会的な圧力にさらされてきた。
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