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祝電にのぞく米中関係再構築の思惑 バイデン氏率いる米国に対するアプローチを示唆

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習近平主席がバイデン氏にやっと祝電を送った。その文言に潜む狙いとは。

習近平主席とバイデン氏はナンバー2だった時代に関係を構築。写真は2013年2月の習氏訪米中に(AP/アフロ)

11月25日、習近平国家主席が米大統領選挙に勝利したバイデン氏に対して祝電を送った。バイデン氏が11月8日(日本時間)に勝利宣言を行ってから17日経って、ようやく祝辞を述べたのである。17日間を要したのは、大統領選挙の結果を見極められなかったという側面もあるが、祝電の内容を検討していたとも考えられる。

習主席が祝電を送ったことは、中国指導部がバイデン氏率いる米国に対するアプローチを決定したことを示唆している。そうだとすれば、習主席の祝電の内容が米国に対するアプローチを示していることになる。

その祝電は、「米中双方は非衝突・非対抗、相互尊重、協力ウィンウィンの精神を堅持し、協力に焦点を合わせ、差異や対立を管理し、米中関係の健全で安定した発展を推進し、各国および国際社会と手を携えて世界平和と発展という崇高な事業を推進することを望む」と述べている。

この表現は、習主席がオバマ前大統領に働きかけた「米中新型大国関係」を彷彿とさせる。「新型大国関係」という表現は、2010年5月に実施された第2回米中戦略・経済対話において戴秉国国務委員(当時)が用いたものだ。

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