──事件当時から関心を?
通信社にいたものの外信部だったので直接取材はしていません。ただ、インテリジェンスに興味があり陰謀論は気になっていた。取材のきっかけは、2005年に来日した米国民間調査機関「ナショナル・セキュリティー・アーカイブ」のアナリストの友人が「キッシンジャーが(田中政権に対し)烈火のごとく怒っている文書があった」と教えてくれたこと。
それ以後、田中政権と米国との関係を調査するため、米国立公文書館やフォード大統領図書館などを回りました。事件は、田中政権時の日米関係と事件発覚後の捜査の展開の2つから構成されていて、外交問題で相当な対立があったことは突き止めました。ただ、当時はなお未公開の文書も多く、例えば角栄逮捕後に米政権内で「本当に奇跡だった」という興味深い発言があったことはわかっても、事件との関連が確認できなかった。
15年かけて取材と情報公開請求で間を埋めた。請求しても日米関係を損なうなどの理由で非開示の文書はまだ多く、とくにCIAが絡む文書はほとんど未公開です。
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