新型コロナウイルスの世界的大流行は、中国の医療用資材メーカーに空前の輸出ブームをもたらした。今年3月15日から9月6日までの間に中国が全世界に輸出した医療用資材はマスク1515億枚、防護服14億着、ゴーグル2億3000万セット、人工呼吸器20万9000台、赤外線体温計8014万台に上った。
では、この秋から冬にかけて新型コロナの大規模な流行再燃が起きた場合、医療用資材の輸出はさらに伸びるのだろうか? 大手衛生材料メーカーである穏健医療用品の李建全・董事長(会長に相当)は、過度の楽観ムードに警鐘を鳴らした。
「世界的流行の第2波が到来しても、(第1波のような)爆発的な需要拡大は起きない。多くの国の政府がすでに十分な量の医療用資材を備蓄しており、さらに自国内での生産を国策で強化しているからだ」(李氏)
一方、輸出ブームを背景に新規参入が相次ぎ、業界のプレーヤーは急増した。輸出先の品質評価機関の認定を取得した中国の医療用資材メーカーは4月25日時点では93社にすぎなかったが、9月22日時点では3129社に膨れ上がった。
例えば中国のマスクの生産能力は、業界の調査データによれば新型コロナの流行前は1日当たり2000万枚だった。それが4月末には5億枚に増え、8月末にはさらに10億枚に倍増した。
(財新記者:湯涵鈺、邸寧、原文の配信は9月26日)
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